| 無水調理について |
1.無水調理って?
無水調理と聞いてピンと来られない方がいらっしゃるかもしれません。
無水調理とはその名のとおり水を使わない調理のことです。
無水調理のできる鍋にはいろいろありますが、その大きな特徴は調理をするのにふたを使うことです。
蒸すゆでる煮るはもちろんのこと、魚を焼く、フライを揚げるときにも基本的にはふたをします。
そうすることによって鍋の中の水分を逃がさないだけではなく、素材の持っている水分を生かした調理ができるのです。
たとえば野菜をゆでるのにこれまでならまずたっぷりの水を沸かしていました。
でもゆでるうちに野菜のあくとともに色素や香り、有用な栄養も水の中に溶け出してしまって、茹で上がった野菜の本来の味は損なわれています。
キャベツをゆでたお湯は黄色くなっていませんか?
その色はどこから来たものでしょう?
もちろんキャベツの中から溶け出した色です。
そのお湯はキャベツのにおいもしますし、キャベツの味もします。
私たちの五感で感じるものだけではなく、そのお湯の中にはキャベツの持つ有用な栄養素がたくさん逃げています
スープでお湯まで全部飲み干すような料理なら別ですが、ゆで汁は多くの場合煮こぼします。
私たちが食べているおひたしも、そう考えるとなんだか栄養素のたくさん抜けてしまった残りのような気がしませんか?
では実際に無水ゆでならどのくらいの水分での調理が可能なのでしょう?
ほうれん草などの葉もの野菜ならば洗ったときに野菜に残った水分だけ。
じゃがいもならひとつ丸ごと皮付きのままに対してカップ半分の水。
ゆで卵ならひとつにつき大さじ一杯の水。
鍋底に水に浸したキッチンペーパーを敷いて卵を置いても、ちゃんとゆで卵ができます。
そうやって調理すると、食材の味のしっかり残った、本当においしい料理ができるのです。
肉じゃがを作る手順はいかがでしょう?
普通の鍋ならば肉と野菜をいためて水を入れ、しょう油やみりんなどで味をつけます。
無水調理ならば、熱した鍋で油も敷かずに材料を入れた後、調味料だけを入れます。
だし汁は好みの問題ですので多少お使いになってもよいでしょう。
けれどもしっかりした肉と野菜のうまみで、だし汁を使わなくてもかなりおいしいコクが出ていますよ。
できあがった肉じゃがは肉や野菜から出た水分で、汁気もたっぷりとあります。
もちろん水分で薄まらない分調味料を使う量も少なく、またじゃがいもはほっくりとして、玉ねぎの甘味のする肉じゃがになるのです。
ちなみに焼き魚やてんぷらがべたっとなってしまうのではないかしら、とお考えの方へ。
人参の千切りに薄力粉と水を1:1で絡ませて揚げただけのてんぷらこれ、人参が一人1本は必要ですよ!
表面がかりっ、さくっ、として、塩だけでいくらでも食べられてしまいます。
鶏肉のから揚げも、下味をしょう油やみりんでつけた焦げやすい素材がふたをすることによって鍋全体から加熱されて中までの火の通りが早く、こげる前に中までジューシーに揚がるのです。
焼き魚も、せっかくの魚の脂が下に落ちてしまうと、塩鮭の腹の部分なんて焼きあがったときにはかすかすになっていませんか?
無水調理で焼くと、こんがりと焼けた表面としっとりとした身が本当においしく、体によい魚の脂がしっかりと摂れます。
2.無水調理にはどんな鍋を選べばいい?
今市場に出回っている無水調理のできる鍋は、価格的にも品質的にも実にさまざまです。
どれを選ぶかは何を重要視するかによります。
金属の層も一層のものから多層構造のものまであります。
わかりやすくいえば、層が多いほど熱のまわりが柔らかで、無水調理に適しています。
ケーキやフライなどの調理になると、多層構造のものでないと焦がしてしまうことが多くなるでしょう。
しかし層が多くなったり厚くなると、そのぶん鍋の重量が重くなることは覚悟しましょう。
ただし無水調理は普通、中華なべやよく家庭で使われているフライパンのように、振って使うことはまずありませんが。
そして鍋底にマグネットがくっつくかどうかももしかすると大切な要件になるかもしれません。
これはIH調理器具などの電磁調理器にかかるかどうかなのです。
無水調理は中火で加熱して、そのあとごくとろ火で加熱することがほとんどです。
強火を使うことはまずありません。
しかし一般的なガスコンロの火力は、無水調理にはもったいないほど強すぎます。
しかも一番とろ火に調整したところで、そんなもんじゃ強すぎるくらいなのです!
無水調理に使うのは、本当にごくごく弱い火力で十分です。
そんなとろ火をガスコンロで持続させるのはほとんど無理でしょう。
無水調理の特徴を生かすためにも、IH調理器具の普及から見ても、どうせなら磁力を通す素材の物を選んではいかがでしょう。
本体がアルミなどでも鍋底だけには磁力を通す素材が貼ってある鍋もあります。
逆にステンレスの鍋でもマグネットのつかない鍋もあります。
気になる方はそのあたりの商品説明を参考にするか、実際にマグネットをくっつけて確認してみてください。
価格に関してはそのメーカーごとの、『その値段にした理由』を調べてみましょう。
安いものについてはどうかわかりませんが、ン万円、ン十万円もの製品についてはその値段にした理由と言うのが知りたくありませんか?
そしてその理由に納得したものを候補に挙げればいいのです。
とは言ってもこれはどんなものにも共通した判断基準ですね。
その製品にどれだけの保証がついているかも重要です。
何しろ高い買い物をするのです。
普通の鍋にしておけば一つ5000円も出せば十分でしょう。
その倍以上のものを買うのですから、できるだけ長く使い続けたいものです。
しかし製品にそれだけの保証がついていなければ、ちょっと心配ですよね。
せっかくですからしっかりした保証のついた鍋をお勧めします。
あと私が感じたポイントは、シンプルな形です。
きれいに使うためにもそれは大切です。
それにケーキを焼くようになってその大切さを感じたのですが、鍋に直接生地を流し込んで焼くケーキのときに鍋の側面の形が曲線になっていると、
きれいに取り出すことができません。
鍋の側面の形は垂直に立ち上がっているといいかもしれません。
キッシュやタルトなどを鍋で直接作るときには、鍋の側面が曲線になっているともう致命傷ですね。
せっかくのほろりとした生地が、崩れてしまいますから。
いくつか思いついたことを書き出しましたが、私の大好きな無水調理のできる鍋が
これを参考にされて皆さんの台所で重宝されることになれば、とてもうれしいです。
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